2020年08月04日

令和2年7月場所 千秋楽●照ノ富士

千秋楽 ●御嶽海(寄り切り)照ノ富士○

立ち合い、照ノ富士がいきなり左上手を取る。御嶽海はもろ差しを狙うが、もろ差しになる前に照ノ富士が右上手も取り、一気に寄っていってそのまま寄り切り。この瞬間、照ノ富士の約5年ぶり2度目の優勝が決まった。御嶽海は千秋楽まで優勝争いを演じたものの11勝4敗。それでも6度目となる殊勲賞を獲得した。

今場所の番付は御嶽海が西関脇、照ノ富士が東17枚目で圧倒的に御嶽海のほうが上だが、この日の相撲はまったくそう見えなかった。御嶽海が悪いというよりは、照ノ富士が大関だった頃の相撲を見せた感じ。御嶽海はまわしを取られると厳しいのはわかっていたと思うが、簡単に取られてしまったし、立ち合いをもうちょっと工夫するべきだったかもしれない。

夏場所が中止となり、4か月ぶりとなった7月場所は11勝4敗。2場所連続の2ケタ勝利を達成し、大関挑戦の足固めとした。大関昇進を考える場合、10勝ではなく11勝したのが大きい。大関昇進の目安は3場所合計33勝なので、平均が11勝だからだ。これをあと2場所続けられれば大関昇進となる。あるいは来場所優勝でもすれば、先場所が平幕とはいえ10勝なので来場所後に上がる可能性もあるだろう。ただ、今場所の内容はあまり良くなかった。これはコロナウイルスの影響で出稽古ができず、いつも通りの調整ができなかったのもあるだろう。その中で11勝できたのは地力があったのが大きいと思う。しかし今場所勝てたからといって来場所も同じような内容で勝てるかというとそんな甘くはないだろう。感染の収束の見通しが立たない以上、今後も今までのような稽古はできないかもしれないが、来場所はもっと自分の相撲で勝てるように、稽古を続けていってほしいと思う。


ということで、優勝は照ノ富士だった。関脇時代の平成27年夏場所以来、30場所ぶり2度目の優勝となった。大関経験者が、大関から落ちた後に優勝したのは魁傑以来44年ぶり。この魁傑は現時点では唯一、「陥落直後の場所で10勝する」方法ではなく大関に復帰した力士である。照ノ富士も今場所の相撲が毎場所できるなら、また大関に上がることだって夢ではないだろう。なお元大関の優勝は44年ぶりだが、大関が序二段まで落ち、そこから幕内まで戻ってきて優勝するのはもちろん史上初となる。そもそも大関経験者が幕下以下に落ちても現役を続けること自体が初めてだったが、よくぞここまで戻ってきた。年齢的にはまだ20代だし、身体に気をつけて来場所からも頑張ってほしい。

一方で御嶽海を含む上位陣にとっては、今年2度目の幕尻優勝を許すまさかの事態になってしまった。まあ徳勝龍と違って今回は元大関なのでちょっと特殊ではあるが、それでも朝乃山や御嶽海は直接対決でも止められなかった。2人とも自身の成績は好成績だったが、今場所の結果を悔しいと思って、その悔しさを力に変えてくれればと思う。

春場所終了後、力士にもコロナウイルスの感染者が確認され、5月にはその中の1人だった三段目の勝武士が亡くなるという悲しい出来事もあった。夏場所は中止となり、今場所も名古屋ではなく東京開催、観客は2500人までなど感染防止対策を講じて開催されたが、大きな混乱がなく終わって良かった。普通に開催するにはまだまだ時間がかかると思うし、9月場所が予定通りできるかもわからない。それでも、この15日間はとても楽しめたし、相撲ってやっぱりいいなと思った。力士や親方をはじめとする関係者の人たちには今後もしっかり対策をしてもらって(それでもかかるときはかかるし、その時はしょうがないが)、来場所も無事に開催してほしい。

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2020年08月02日

令和2年7月場所 14日目○琴恵光

14日目 ○御嶽海(掬い投げ)琴恵光●

立ち合いで攻め込んだのは御嶽海。琴恵光を押し込むが、押し切れずに引く。琴恵光は右を差し、御嶽海の体を起こし有利な体勢を作る。琴恵光は左上手を取って一気に攻め込むが、御嶽海は土俵際で琴恵光の右腕を抱え込みながら逆転の掬い投げ。御嶽海は11勝目を挙げ、優勝争いに踏みとどまった。

今日も相手に良い形を作られながらの勝利となった。琴恵光のペースだったし危なかったように見えたが、ただ御嶽海は前日の輝戦もそうだったけどまだ若干余裕があるように感じた。見てる我々ほどは焦ってなかったと思う。とはいえ、せっかく押し込んだのにすぐ引いちゃうのはもったいないと思うし攻め返されて危ない。明日はしないようにしてほしい。


優勝争いは、3敗の正代が1敗の照ノ富士を会心の相撲で破り、決着を千秋楽にもつれ込ませた。そして結びの一番では照ノ富士と同部屋の照強が2敗の大関朝乃山を足取りの奇襲で破って3敗に引きずりおろした。よって照ノ富士の単独トップは変わらず、朝乃山、正代、御嶽海が追う形に。そして14日目の取組終了後、千秋楽の取組が発表された。

(取組順)
照ノ富士−御嶽海(過去は照ノ富士の4勝3敗(うち不戦敗1つ))
正代−朝乃山(過去は3勝3敗)

照ノ富士はもちろん勝てば優勝。負けても優勝決定戦を勝ち抜けば優勝となる。御嶽海はここにきて自力優勝が復活。照ノ富士に勝てば優勝決定戦進出が決まり、そこを勝ち抜けば優勝となる。正代と朝乃山も全部勝つのは前提だが、その前に御嶽海が照ノ富士に勝つことが必要になる。なお決定戦になった場合は巴戦となることが確実で、幕内での巴戦は26年ぶりとなる。確かに15年くらい相撲見てて見たことないなと思っていたが、実現すれば21世紀初か…。ちなみにこのときは、横綱曙、新大関貴ノ浪、前頭12枚目の貴闘力が12勝3敗で並び、曙が優勝した。

ということで、御嶽海の千秋楽の相手は照ノ富士。過去の対戦は前述のとおり不戦勝を含んで3勝4敗だが、最後に土俵上で対戦したのは照ノ富士がまだ大関だった平成29年の夏場所で、当時とはいろいろと状況が異なる。過去の成績はあまりあてにならないだろう。ただ、過去の対戦で御嶽海が敗れた時は、腕を抱え込まれて極められることが多かった。そこだけはしっかり対策をして臨んでほしい。個人的には、もちろん優勝してほしいけど、それ以上に巴戦が見たい。なのでまず本割はなんとしても勝ってほしい。


過去の対戦
28名 ○御嶽海(押し出し)照ノ富士●
28秋 ○御嶽海(外掛け)照ノ富士●
28九 ●御嶽海(寄り切り)照ノ富士○
29初 ●御嶽海(押し出し)照ノ富士○
29春 ●御嶽海(押し出し)照ノ富士○
29夏 ●御嶽海(極め出し)照ノ富士○
29九 □御嶽海(不戦)照ノ富士■

なお、もし優勝決定戦に進んだ場合は照ノ富士のほか、朝乃山か正代とも当たることになる。今場所の対戦を見ても過去の対戦を見ても、御嶽海としては朝乃山のほうがやりやすいと思う。逆に正代が来ると、正代は本割では照ノ富士にも御嶽海にも勝っているので厳しい相手になるだろう。

照ノ富士が優勝すればおよそ5年ぶり2度目の優勝。大関から序二段まで落ち、そこから幕内まで戻ってきての優勝という史上最大の不モツ優勝となる。
朝乃山が優勝すれば6場所ぶり2度目の優勝。新大関でいきなりの優勝となるか。
正代が優勝すれば初優勝。今年初場所はあと一歩まで迫ったが、徳勝龍に優勝をさらわれた。今度こそ悲願達成となるか。
そして御嶽海が優勝すれば4場所ぶり3度目の優勝。関脇以下で3度優勝となれば史上初となる。まあこれは普通3度も優勝するころには大関以上に上がっているってことなんだろうけど…。

さあ、誰が賜杯をつかむのか。
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2020年08月01日

令和2年7月場所 13日目までの御嶽海の結果まとめ

すでに佳境に入っているが、大相撲7月場所(本来ならば名古屋場所だが、今場所は東京開催なので7月場所と表記している)。
今日13日目までの御嶽海の結果。


初日 ○御嶽海(寄り切り)宝富士●
2日目 ○御嶽海(叩き込み)隆の勝●
3日目 ○御嶽海(首投げ)阿武咲●
4日目 ○御嶽海(突き落とし)豊山●
5日目 ○御嶽海(押し出し)遠藤●
6日目 ○御嶽海(突き落とし)隠岐の海●
7日目 □御嶽海(不戦)阿炎●
8日目 ●御嶽海(突き落とし)正代○
9日目 ●御嶽海(寄り切り)霧馬山○
10日目 ○御嶽海(上手投げ)朝乃山●
11日目 ●御嶽海(押し出し)貴景勝○
12日目 ○御嶽海(突き落とし)白鵬●
13日目 ○御嶽海(引き落とし)輝●

不戦勝もあったりしながら、ここまで10勝3敗。御嶽海にとって毎場所の目標である2ケタ勝利を13日目で達成した。三役での2ケタ勝利は自身3度目(過去2回はいずれも優勝している)。そして先場所は平幕ながら上位総当たりの位置で10勝しており、上位での2場所連続2ケタ勝利は自身初となった。一歩ずつ着実に前進していると思う。ただ、内容はそこまで良くはないように見える。決まり手を見ても突き落としが3つあるほかに首投げ、叩き込み、引き落としもあり、御嶽海本来の相撲である鋭い攻めで一気に押し切る、あるいはもろ差しになって寄り切る、という相撲があまり見られない。まあ突き落としや叩き込みが悪いわけではないんだけど、貴景勝戦なんかはまともに引いて押し出されてしまったし、気をつけたいところではある。


明日の相手は琴恵光。初顔合わせとなる。琴恵光は現在28歳。中卒で角界入りしたいわゆるたたき上げの力士で、じわじわと番付を上げ、一昨年の名古屋場所で新入幕。幕内に定着しかかっている。先場所は十両に落ちたが11勝を挙げ1場所で返り咲き。今場所は西16枚目ということで通常ならばまず御嶽海と対戦する位置ではないが、12日目終了時点で9勝3敗とまだ優勝の可能性を残していたため、組まれることになった。なお13日目に敗れ4敗となったため、優勝の可能性はなくなった。相撲協会のプロフィールだと体重は130キロということで幕内では小柄な方であり、御嶽海としてはそこまでやりにくい相手ではないだろう。ただし中に入られたり、相手の有利な四つになってしまうと厳しい。まわしを与えないように基本の突き押しで行くのが良いと思う。10勝は達成したが、まだ優勝の可能性も残っている。気合を入れて狙っていってもいいのではないだろうか。


優勝争いで一時単独トップに立っていた白鵬が今日から休場となり、2日目から鶴竜も休場しているので横綱不在となった。そんな中で優勝争いは4人に絞られた。今日1敗同士の対戦を制し、単独トップとなった幕尻の照ノ富士。照ノ富士に敗れ2敗となった新大関の朝乃山。そして3敗の正代、御嶽海の両関脇である。照ノ富士は幕尻とはいえ、優勝経験がある元大関。このまま優勝する可能性は十分ある。

明日のそれぞれの取組は、

照ノ富士−正代(過去は不戦勝・不戦敗を除き、照ノ富士の4勝3敗)
朝乃山−照強(幕内では初顔合わせ、十両以下で2度対戦し1勝1敗)
御嶽海−琴恵光(初顔合わせ)

となる。明日照ノ富士が勝ち、朝乃山が敗れるとその瞬間に照ノ富士の2度目の優勝が決まる。また照ノ富士が勝つと、その時点で正代だけでなく御嶽海の優勝もなくなる。なお予想ではあるが、千秋楽には照ノ富士−御嶽海、朝乃山−正代が組まれるのではないかと思われるので、正代や御嶽海も頑張ればまだ十分チャンスはある。明日優勝が決まるのか、それとも千秋楽までもつれ込むのか。最後の三番は要注目だ。

タグ:相撲 御嶽海
posted by K at 00:24 | Comment(2) | 御嶽海 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする